美しいハワイと許すことのできなかった不器用さを味わう。ジョージ・クルーニーの映画”ファミリーツリー”

ネタバレを含みます。

ジョージクルーニー主演のハワイが舞台の映画”ファミリーツリー”。普段の会話が少なくなっていた妻が、ボート事故で昏睡状態になるところからの物語。それに起因してか、次女が小学校で問題となる行動を起こす。姉の長女も全寮制の学校で麻薬騒ぎを起こす。妻も実は浮気していることがわかる。長女と妻はそれが原因で不仲に。祖先から受け継いだ広大な土地を売却する話も主人公を悩ませる。

こうして書くと重たい話だけれど、そこはハワイの物語。広大な景色や海・山が優しく受け止めます。深刻すぎないテイストでよかった。伝えたいメッセージを柔らかくする表現。”ズートピア”で差別問題がテーマになっていたときもそうですが、違う題材を使うことで本当に起きている社会問題を考えるきっかけになることがある。”LA・LA・LAND”でも思った、自分とどこか重ね合わせてしまう、そんな映画が大好きです。

この物語の中核にあるのは”許す”ことなんだと思います。浮気がわかった妻に主人公は怒ってはいますが、最後に見せる愛情やエンディングを見ると、その全てを受け入れられた。娘2人も悪態ばかりつく不良娘かと思いつつ、両親に実は感謝している。妻の浮気相手に娘たちと会いに行くのはご愛嬌。

ジョージクルーニーは、深い悩みがありながらも懐の広さをどこか感じる中年男を好演していました。やっぱり渋い。オーシャンズ11やERに代表される”クールで渋くてかっこいい”、イメージだったんですが、等身大の中年男も実にいい。浮気で怒る姿も彼ならカッコよく見える不思議。

妻の父親や浮気相手の妻も、誰かを本当に愛しているからこその行動でした。お前のせいで娘はこんな目に、などと妻の父さんざん嫌みを言われてましたね…。でも会いに来させてお別れを言う時間を作る。誠実にするべきことをしていけば、周りは見てるよってことですね。

ところで、尊厳死を事前に選んだ奥さん。本人にとってはもちろん自分で決めたことですが、遺される家族も難しい選択でしたね。延命治療し続ける負担ももちろんあるので、奥さんはある意味家族思いだったともいえる。どちらが正解かっていうのは何とも言えない問題ですね。でもそれぞれが選択した道は間違いではなかったように思います。

それにしてもハワイはやっぱり美しい。行きたいなぁ。穏やかに時が流れている。音楽は土地によって作られるという言葉通りのウクレレの音色。何かに疲れたとき、フラッと行ければいいなあ。